順天堂大学画像診断・治療学 医局ブログ

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中国の医療事情を視察するため上海を訪問しました(Fudan University Shanghai Cancer Center)

中国の医療事情を視察するため上海を訪問しました。

9月21日(木)の午前中はFudan University Shanghai Cancer Centerを訪問しました。
Shanghai Cancer Centerは中国でも1、2位を争うcancer centerです。
Department of Integrated TherapyのProf. Zhiqiang MengはMD Andersonに留学経験があり現在48歳です。すべての臓器のvascular intervention, non-vascular interventionを含めると年間2000例の治療を行なっているとのことでした。
2008年からRFAやMWAを開始したとのことで、部屋にはCelonとSTARmedのRFA、VisonのMWAの機器が設置されていました。

スタッフは全部で6、7名です。病院の規則で全麻時には麻酔科医が2名いなければならないとので、部屋には2、3名の麻酔科医がいました。挿管は喉頭鏡は使わず、小型の液晶モニターを胸の上に置きチューブに内視鏡を取り付けて直視下に行っており、極めてスムーズでした。ただ、治療中は3名とも治療室の隅で携帯電話をいじっていました。

8時30分から11時30分までの3時間で5例のablationが行なわれました。患者確認やNsの引継ぎなどはなく、手技も細かなことにはこだわらず短時間で完了していました。超音波はesaoteというイタリアの機器でした。体表から5cmに存在する病変でも17cmの深さで観察しており、したがって詳細な観察はしていませんでした。フォーカスの深さなども調節していません。アンテナを抜去する際も穿刺経路にそって出血してくるかどうかなどはチェックしていません。私たちのablationと比べると細部にこだわるという感じはありませんでした。ただ、多くの症例数を行なっているため手技は迅速で無駄なく行われていました。

退出時に家族が治療室に入ってきてストレッチャーへの移動や搬送を手伝っているのはお国柄だと思いました。

隣の部屋にはHIFUの機器も設置されていました。

椎名秀一朗

(写真はクリックすると拡大します)

                 

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