順天堂大学画像診断・治療学 医局ブログ

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中国の医療事情を視察するため上海を訪問しました(Shanghai Jiaotong University Renji Hospital)

9月22日(金)は8時にShanghai Jiaotong University(上海交通大学)のRenji Hospital(仁済医院)を訪問し、肝臓のablation 4例を視察しました。

Prof. Bo Zhai は 中国で最も多くのablationをしており、年間では肝腫瘍が700件、肺腫瘍が200-300件、甲状腺と乳腺(ほとんどが良性腫瘍とのこと)が400-500件、副腎が20-40件の計1500件のablationを行なっているとのことでした。介入科は50床の入院ベッドがあるとのことです。

6例のablationが予定されていましたが、1例は血小板低値のため、もう1例は造影超音波の結果、viable portionがみられないとのことで中止となり、4例の ablation を見学しました。
麻酔科医1名を含む6、7名のスタッフがいました。

患者確認なども行なわず、短時間で入れ替えが行なわれていました。

超音波ガイド下のablationですが、超音波はesaoteというイタリアの機器を使用しており、fusion imaging機能もあり、また超音波造影剤 Sonoviewを使用した造影超音波も実施していました。
術前のMRI画像はフィルム焼きで1枚に6×8=48のimageが含まれており、1つ1つの画像が極めて小さく詳細な検討などはできないと思われました。
術前の画像からもわかるように手技も細部にはこだわらず、3時間で4名の治療を終了していました。ただし多くの症例の治療を行なっているため手技に無駄がなく迅速に治療が行われていました。
1例では肝実質内の5cmの結節だけでなく付随する門脈腫瘍栓もablationしていました。後区域枝内の腫瘍栓と思われますが、どの分枝内の病変なのかなどの検討はなされていませんでした。肝内胆管の損傷なども気に留めていないようでした。

3例はMWA、1例はexpandable typeのRFAを使い治療していました。

椎名秀一朗

(写真はクリックすると拡大します)

              

 

 

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