「ラジオ波焼灼術等の低侵襲治療のための効果的なトレーニングシステムの開発」に対し科学研究費が交付されることになりました
「ラジオ波焼灼術等の低侵襲治療のための効果的なトレーニングシステムの開発」に対し日本学術振興会の科学研究費(基盤研究(C))が交付されることになりました。
臨床的な視点から計画された研究が科学研究費助成事業に採択されることは珍しいことであり、高い評価を得たと思われます。ラジオ波焼灼術などの低侵襲治療では、技術的要素が治療成績に大きく影響するにもかかわらず、トレーニングシステムの重要性は認識されていません。この研究ではラジオ波焼灼術などの低侵襲治療の知識と技術、判断力を短期間で効率的に習得できるトレーニングシステムの開発を目指しています。
私たちはこれまで多くの医師にラジオ波焼灼術の教育をしてきました。2013年以降は、他施設の医師のためにトレーニングプログラムを計7回実施し、全国各地から延べ112名が受講しています。また、インターナショナルトレーニングプログラムも2回実施し、海外から21名の医師が参加しています。今後は、ビジネス分野で人材育成プログラムの効果測定に用いられているKirkpatrickの4段階評価法などの手法を用いてこのトレーニングプログラムを評価し、さらにブラッシュアップしていく予定です。
本研究により、ラジオ波焼灼術に必要な知識と技術、判断力を効率的に習得できるようになれば、これまでラジオ波焼灼術の問題とされてきた施設間、術者間の成績格差の縮小につながると予想されます。根治性が高く侵襲の少ないラジオ波焼灼術の恩恵を多くの国民が得ることができると思われます。