INTERVENTIONAL ONCOLOGY SANS FRONTIERES 報告(1)
7月8日に発表イタリア・ミラノで開催されたINTERVENTIONAL ONCOLOGY SANS FRONTIERES(会長 Prof. Luigi Solbiati)で invited speakerとして“HCC:20 years of thermal ablation:RFA: Results and lessons learned” の発表を行ないました。
今回の学会はablation だけではなく、TACEなどのvascular intervention、さらにはSBRTなど放射線治療の発表もあり、臓器も肝臓だけでなく膵臓、肺、骨、腎臓、副腎、甲状腺、神経系の発表もあり、普段は知る機会のない領域の知見も得ることができました。
なお、ヨーロッパのほうが米国よりも医療機器などの規制が厳しくないため、新しいトピックスがいち早く発表されると言われています。
IOSFのFaculty memberは76名いましたが、大半は欧米人で日本人は3名のみ、アジアからは他に5名でした。
発表されたビデオなどを見れば日本の技術が精緻であることがよくわかります。しかし、日本の技術の優位性は、本当にその分野のトップグループにいる人間にしか認識されていないことを残念に思います。これは日本から海外へのinterventional oncologyの情報量が少ないことが一つの原因と考えられます。
論文などを通して、日本の情報をもっと発信していく必要があることを私自身改めて認識しました。
Dr. Livraghiにも久しぶりに再会しました。今は完全引退してミラノの歴史などについての本を執筆しているとのことです。
シカゴで経皮的エタノール注入療法について語り合った時代からは隔世の感があります。Interventional oncologyの分野が大きく発展してきたことに改めて感慨を持ちました。低侵襲治療は今後もさらに大きな役割を担うことになると思われます。
椎名秀一朗