駒場キャンパスとクラス会
東大駒場時代の同級生から「関西に引っ越す前に集まりたい」との連絡がありました。
「駒場時代」とは、入学して最初の2年間、東京大学教養学部(前期課程)に在籍していた時期のことを指します。入学した学生が一堂に集まり、多彩な同級生と交流できるのが特徴です。私たちは理科二類と理科三類でドイツ語を選択した11Bというクラスでした。本郷に移ると理学部、工学部、薬学部、農学部、医学部など専門分野に分かれていきますが、その前に全員が一緒に過ごした2年間は特別な思い出です。文系の学生も同じ駒場キャンパスで学んでいました。
当初、私は右腕の骨折のこともあり出席を控えるつもりでしたが、直前に直接誘われ、参加することにしました。
同窓会の前に駒場キャンパスを歩いてみると、随分様変わりしていました。正門からすぐの時計台のある1号館や900番教室(講堂)、奥の運動場には見覚えがありましたが、大型の新しい建物が目立ち、まるで外国の大学に来たような印象を受けました。また、立て看板が目につきました。ただし、大学当局や政府に対する抗議・声明の場として使われていた昔の大きな立て看板とは違い、今はサークルやクラブ活動への勧誘が中心で、小ぶりなものでした。本郷キャンパスには立て看板はほとんどありません。他の大学でも立て看板はないとのことです。
会食はキャンパス内のフレンチレストラン「ルヴェソンヴェール橄欖」で行いました。学生食堂や、当時さらに安かった駒場寮の食堂しかなかった時代を思うと、隔世の感があります。
実は昨年来、新しい治療法を日本にどのように導入したら良いのか道筋が見えず悩んでいましたが、薬学部出身の友人から思いがけないアドバイスをもらうことができました。
懐かしい仲間との再会はもちろんのこと、まったく専門の異なる友人との交流から貴重な情報を得ることができ、大変有意義なひとときとなりました。
椎名 秀一朗