アメリカ肝臓病学会（AASLD） 報告 番外編 ～ハーバード大学～
APASL 2024 Kyotoの最終日に市民公開講座開催を検討中です。
その際に話をしてもらってはどうかと推薦された男性にお会いしました。
高校2年時に渡米し、大学を卒業し、事業をしているという方で、肝移植を受けています。
ボストンを案内してくれるということで、まずハーバード大学に連れて行ってもらいました。
最初に訪問したのは、世界一の大学図書館、ワイドナー図書館。
ハリー・ワイドナーという卒業生が本の収集をするためヨーロッパに行き何年も帰ってこないため、父親が連れ戻しにいき、帰国する際に2人ともタイタニック号沈没の犠牲となりました。悲しんだ母親は、息子が卒業したハーバード大学に多額の寄付を行いました。この時、彼女はいくつかの条件を付けました。1つはハーバード大学の卒業試験として水泳の試験を義務付けるということでした。亡くなった息子が泳げなかったためです。水泳の試験は長く実施されてきましたが、現在は廃止されたそうです。また、図書館の外観を変更しないことという条件も付けたそうです。このため、蔵書の保管場所を確保するためのスペースは地下に広げられ、その通路は80kmにも及ぶそうです。
ハーバード大出身の戦死者を弔うためのメモリアルホールでは、宗教色を無くすため、ステンドグラスに描かれているのはキリスト教の聖人ではなくシェイクスピアなどです。
創設者ジョン・ハーバード氏の銅像。「銅像の足に触れると幸運が訪れる」という言い伝えがあり、多くの人に触れられた結果、足はピカピカです。
ただ、世界中の人が触るため、コロナのパンデミック時には、「触れると病気になる」と言われていたそうです。
別名「3つの嘘の像」と呼ばれていますが、それは、①創設年は1638年でなく1636年、②ジョン・ハーバードはFounder(創設者)ではなく後援者の一人にすぎない。彼は親の財産を引き継いだ大金持ちだったが、アル中で結核で30歳で死亡した。家族もいなかったため、全財産を大学（神学校）に寄付したため、彼の名前が校名になった、③像のモデルは本人ではない。火事で彼の肖像画などは焼けてしまったため、イケメンの学生をモデルにして像を作成した。
アメリカの主な大学は自治を守るため独自の警察組織を持っています。
椎名 秀一朗
