順天堂大学画像診断・治療学 医局ブログ

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モンゴル訪問(1) ロシアの癌医療の最高責任者 Dr. Kaprinやモンゴルのザンダンシャタル国家大会議議長と会談

モンゴルやロシアを含めた国際的な癌治療のセンターを造る話があり、8月5日から10日までウランバートルを訪問しました。2年5ヶ月ぶりに海外に出かけました。

ウランバートル到着後、モンゴル国立がんセンターや日本モンゴル教育病院などの訪問以外に、出国前には決まっていなかったスケジュールが次々と入ってきました。

駐モンゴル日本大使にも会いました。

ロシアで癌領域の最高責任者*のDr. Kaprinと何度も懇談する機会がありました。Dr. Kaprin している22回来日しているとのことでした。釣りが好きで、日本では黒鯛釣りなどをしたことがあるそうで、秘書役の男性がその時の写真をスマホで見せてくれました。「2024年のモスクワの国際学会に招待する」とのことでした。私も「2024年3月末に京都で開催するアジア太平洋肝臓学会 (APASL) に時間があれば来てほしい」という話をしました。

*Director General of Federal State Budgetary Institution (FSBI “NMRRC”) of the Ministry of Health of the Russian Federation, the chief non-staff oncologist of the Ministry of Heath, president of the Oncology Association of Russia, academian of the Russian Academy of Sciencesです。ロシアのオンコロジー領域の全予算の配分権をもつ人物です。

ザンダンシャタル国家大会議議長**を国会議事堂内に訪問しました。ザンダンシャタル議長は、「死因の第2位を悪性腫瘍が占めており、早期発見プロジェクトを行なっている、特に一番多い肝癌には力を入れている」という話をしました。
次にDr. Kaprin が「ロシアとモンゴルは長年交流を続けているが、今後も協力を続けていきたい」という挨拶をしました。
続けて私が話をすることになりました。全く準備していませんでしたのでビックリしましたが「日本の肝癌診療は世界一の5年生存率を達成している。これは肝癌発生の高危険群に超音波と腫瘍マーカーを組み合わせたスクリーニングを行って早期発見に努めていることが一因である。さらにすべての進行度の肝癌で日本の治療成績はアメリカやヨーロッパよりも優れている。これは日本が超音波検査や CT、MRI などで精緻な診断を行い、外科手術やラジオ波治療、マイクロ波治療、肝動脈塞栓術、薬物療法なども優れているからである。 モンゴルに日本の経験を導入したい。三国で協力して優れたシステムを構築できれば、それを世界に広めていきたい」という話をしました。

それぞれをモンゴル語、ロシア語、日本語に通訳するため、3倍の時間がかかり、1時間の会見となりました。
その後、一緒に写真撮影をしました。

**会見した人物は本当に国会の議長なのかと思いましたが、帰国便の機内誌に彼の写真が載っていました。日本では衆議院議長、参議院議長とも会談しています。「明日はモンゴルを訪問する中国の王毅外相に、明後日は国連のAntónio Guterres事務総長に会う」とのことでした。

椎名秀一朗

 

 

中央がザンダンシャタル国家大会議議長

会談記事

 

国会議事堂内

スフバートル広場。奥は国会議事堂近くに鎮座するチンギス・ハン像

国立がんセンターの院長室にて

ガンダン・テクチェンリン寺にて。中央がDr. Kaprin

Kempinski Hotel内のモンゴル料理レストランにて

小林在モンゴル日本大使

 

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