福井県済生会病院で宮山士朗部長の肝動脈塞栓療法を見学して
消化器画像診断・治療研究室の金澤亮です。今回、福井県済生会病院放射線科の宮山士朗部長のご厚意で椎名教授に同行して肝動脈塞栓療法(TAE)を見学させていただきました。現在、順天堂では当教室と放射線科の2科でTAEを施行しており、当教室では週に2,3件のTAEを施行しております。
福井県済生会病院放射線科では、まず血管造影室に案内され、コンビームCTや、TAE支援ソフトウエアのEmboGuideの説明を聞かせて頂きました。現在順天堂では、DSAを繰り返し行って栄養血管を同定しています。しかしEmboGuideシステムを使用することで、1回のCTHAとターゲットの病変を設定するだけで、すべての栄養血管を同定されていました。実際に3症例を見学させていただきましたが、すべての症例で、分枝の栄養血管まで同定できており、これにより、患者、術者の被曝量の減少、造影剤使用量の減少、また手術時間の短縮につながっていることを、直に実感できました。
その他にも、アンギオセット、注射シリンジ、容器など様々なところで、独自の工夫をされており、すべてにおいて治療効率の良さを感じさせて頂きました。
今後、順天堂でも取り入れられるところは参考にさせていただき、患者さんにとってより良い治療を提供できるように努力しようと思います。
宮山先生、今回はこのような機会を与えて頂き、本当にありがとうございました。
金澤 亮
この度、福井県済生会病院放射線科の宮山部長を訪ね、肝動脈塞栓療法(TAE)を見学した。見学した3例の中には他施設では治療できないと思われる症例も含まれていた。しかし、同行した金澤医師が述べた通り、EmboGuideシステムにより栄養動脈を同定し、効率的に治療が行なわれていた。省力化すべきところは省力化し、シリンジの1本にまでこだわったキットが出来上がっていた。ナースや技師は治療内容をよく把握しており、動きや発する言葉にも無駄がなく、見事だった。集中すべきところに集中できるようなシステムが出来上がっており、洗練された手技だった。
突然の申し出にも関わらず、快く受け入れてくださった宮山先生と福井県済生会病院に御礼申し上げます。ありがとうございました。
椎名 秀一朗